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仰向けになると、背中の上のほうだけが床に当たって落ち着かない。
頭が浮く気がして、枕を2つ重ねている。
結局いつも、横向きか、うつ伏せで眠っている。
猫背が気になっている人から、よく聞く話です。
この記事では、猫背の人が仰向けで寝るとつらい理由と、無理をしない寝方を、体の構造から整理していきます。
結論:猫背で仰向けがつらいなら、無理に仰向けにこだわらなくていい
先にお伝えしておきます。
猫背の人が仰向けでつらいのは、丸まった背中と頭の位置に、寝具が合っていないから。仰向けにこだわらず、楽な姿勢から整えていけば大丈夫です。
つらいのを我慢して仰向けを続けるより、横向きも上手に使う。
そのうえで、仰向けのときの枕を「高くしすぎない」こと。
この2つを押さえておくと、夜の過ごし方がずいぶん変わってきます。
なぜ猫背だと仰向けがつらいのか
背中の丸みが、床に押し返される
猫背は、背骨の胸のあたり(胸椎)の丸みが強くなり、背中が丸まった状態を指します[1]。
立っているときの丸い背中のまま仰向けになると、背中のいちばん出っぱったところが先に床に当たります。
猫背のセルフチェックとして、仰向けで寝ると胸の後ろ側だけが圧迫されるような感じがして寝られない、という項目が挙げられることもあります[1]。
「背中が当たって落ち着かない」のは、気のせいではないんです。
頭が前に出ているぶん、首の下が浮く
猫背の人は、頭が肩より前に出ていることが多いもの。
その姿勢のまま仰向けになると、後頭部が床から浮いた感じになります。
頭の重さは約5kgといわれ、首を30度前に傾けると首にかかる負担は約18kgになるとされています[4]。
日中、頭が前に出た姿勢が続いている人ほど、首まわりはこわばったまま夜を迎えています。
日中の前かがみ姿勢は、そのまま夜の寝姿勢にも持ち越されます。
浮いた頭を、枕で持ち上げすぎてしまう
頭が浮く感じがすると、つい枕を重ねたくなります。
でも高すぎる枕は、首の前側を縮こまらせ、日中の前かがみの姿勢を夜も続けることになると指摘されています[3]。
仰向けで寝る人は低い枕や柔らかい枕が合う傾向があり、固くて高い枕は頭を前に傾け、首や気道に負担をかけるという理学療法士の指摘もあります[2]。
枕を重ねると、そのときは楽。でも、あごが胸に近づいた「うつむき姿勢」で一晩過ごすことになる。ここが、猫背さんの仰向けの落とし穴です。
仰向けの枕の目安と、猫背さんの考え方
仰向けの枕の高さ
1.5〜5cm
首から頭の傾き
10〜15度
頭の重さ
約5kg
仰向けの枕の高さは1.5〜5cmほど、首から頭にかけての傾きは10〜15度ほどが目安とされています[5]。
猫背の人は、この目安より高い枕を使っていることが少なくありません。
だからといって、いきなり低い枕に替えると、頭が落ちる感じがしてかえって眠りにくいことも。
| 枕の状態 | 仰向けで起きやすいこと | 見直しのポイント |
|---|---|---|
| 2つ重ねるなど高すぎる | あごが引けて、首の前がつまる | 1つ分ずつ、少しずつ下げる |
| 低すぎる・枕なし | 頭が後ろに落ち、あごが上がる | タオルで首のすき間だけ埋める |
| 肩までのせている | 肩が持ち上がり、背中が丸まる | 枕は首と頭だけにのせる |
高さの決め方は、こちらで体格別に詳しく書いています。
関連記事:ストレートネックさんの枕の高さ。体格別の目安と、失敗しない選び方
仰向けがつらいのは猫背のせい?セルフチェック
猫背さんの寝姿勢チェック
- 仰向けになると、背中の上のほうだけが当たる感じがする
- 枕を2つ重ねるか、高い枕でないと落ち着かない
- 壁に背中をつけて立つと、後頭部が壁につきにくい
- 日中、気づくと画面に顔が近づいている
いくつか当てはまるなら、日中の姿勢が夜の寝姿勢にも影響しているのかもしれません。
当てはまった人は、まず日中の姿勢から見直していくのが近道です。
座り方のポイントは、こちらにまとめています。
関連記事:猫背は根性で直らない。デスクワークの座り方から見直す3つのポイント
無理しない寝方:横向きを上手に使う
仰向けがつらい夜は、横向きで寝てもかまいません。
横向きのときに見ておきたいのは、首と肩の高さがそろっているかどうか。
横向きで寝る人には、首と肩を同じ高さに保てる枕が必要だとされています[2]。
鼻筋から胸の中央を通る線が、床と平行になる高さが目安です[3]。
横向きのときは、抱き枕やクッションで上の腕の置き場所をつくると楽になります。
横向きで気をつけたいのは、上になった腕と肩が前に倒れ込むこと。
背中がさらに丸まり、胸の前がつぶれた姿勢になりやすいんです。
抱き枕やたたんだ毛布を抱えると、上の腕の置き場所ができて、肩が前に倒れにくくなります。
巻き肩が気になる人の横向きの寝方は、こちらで詳しく書いています。
関連記事:巻き肩さんの寝方。横向きで肩が丸まる人へ、枕と腕の置き場所の見直し方
仰向けに慣れていくための、寝る前の手順
仰向けで寝たい人は、布団に入ってから少しずつ慣らしていきましょう。
布団の上に座り、両手を肩にのせて、ひじで大きな円を描くように肩を回す

いつもの枕で仰向けになり、両腕を体の横に開いて、手のひらを上に向ける
そのまま、ゆっくり呼吸を数回くり返す。痛みがあればすぐにやめる
枕の高さが気になったら、重ねている枕を外し、たたんだタオルで首のすき間を埋めてみる
つらくなったら横向きに。眠れる姿勢を優先する
腕を開いて手のひらを上に。胸の前がゆるむ感覚を確かめてみてください。
いきなり一晩じゅう仰向けで、と考えなくて大丈夫です。
寝入りの数分だけ仰向けで過ごす。
それくらいの気持ちで続けてみてください。
よくある失敗
| よくあるやり方 | 起きやすいこと | 見直しのポイント |
|---|---|---|
| 枕を2つ重ねて仰向けで寝る | あごが引けて首の前がつまる | 1つ分ずつ下げ、タオルで微調整 |
| つらいのに仰向けを我慢する | 寝つきにくくなる | 横向きと使い分ける |
| 横向きで上の腕を前に垂らす | 肩が前に倒れ、背中が丸まる | 抱き枕で腕の置き場所をつくる |
| 寝る前までスマホを見下ろす | 首と肩がこわばったまま布団へ | 寝る前に肩を回してから横になる |
寝る前のスマホの姿勢が気になる方は、こちらも参考にしてください。
関連記事:寝ながらスマホで首がつらい人へ。仰向け・横向き・うつ伏せ、姿勢ごとの負担と見直し方
時間帯別、猫背さんの過ごし方
| 時間帯 | 見直したいこと |
|---|---|
| 朝 | 起きたら伸びをして、胸の前を広げる |
| 日中 | 画面をのぞき込んでいたら、顔を上げて肩を回す |
| 夕方 | 座りっぱなしが続いたら、立ち上がって背中を伸ばす |
| 寝る前 | 布団の上で肩を回し、腕を開いて呼吸する |
猫背で呼吸が浅く感じる人は、こちらも読んでみてください。
関連記事:なんとなく疲れやすい。それ、猫背で呼吸が浅くなっているのかもしれません
よくある質問
Q. 猫背は、仰向けで寝れば伸びますか。
寝方だけで姿勢が変わる、とは言えません。
日中の座り方や過ごし方と、あわせて見直していくのがおすすめです。
Q. 背中にタオルを入れて寝てもいいですか。
背中に入れるものは、人によって合う・合わないがあります。
痛みや違和感があるときは、無理に続けないでください。
Q. うつ伏せのほうが楽です。
うつ伏せは、首を左右どちらかにひねった姿勢が続きます。
楽に感じても、横向きと使い分けてみてください。
Q. 枕は低いほうがいいんですか。
低すぎても、頭が後ろに落ちて首は落ち着きません。
首のすき間を埋める高さを、少しずつ探すのが近道です。
硬さも気になる方は、こちらもどうぞ。
関連記事:首こりの枕、硬めと柔らかめどっちがいい?「沈んだあとの高さ」と寝返りで選ぶ硬さの基準
Q. 背中や首の痛み、しびれが続きます。
寝姿勢だけが原因とは限りません。
痛みやしびれが続く、強くなる場合は、自己判断せず医療機関に相談してください。
まとめ
猫背で仰向けがつらいときは、無理に仰向けにこだわらず、楽な姿勢から整えていけば大丈夫です。
背中の丸みが床に当たり、頭が浮く感じがするのは、猫背の人によくあること。
浮いた頭を高い枕で持ち上げすぎないこと。
横向きの日は、抱き枕で上の腕の置き場所をつくること。
まずは今夜、布団の上で肩を回して、腕を開いて数回呼吸するところから始めてみてください。