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夕方になると、ブーツのファスナーがきつい。
靴下を脱ぐと、くっきり跡が残っている。
足のむくみが気になって、寝るときに足を高くしているという人も多いと思います。
でも、クッションを高く積みすぎて、朝に腰やひざがだるい。
そんな声も、意外と少なくありません。
この記事では、足がむくむ理由と、寝る前に足を上げるときの支え方を、体の構造から整理していきます。
結論:足は「ふくらはぎからかかとまで」を低く広く支えて上げる
先にお伝えしておきます。
足のむくみが気になるときは、ふくらはぎからかかとまでを広く支えて、心臓より少し高い位置まで上げるのが、腰とひざに負担をかけにくい上げ方です。
脚を心臓より高い位置に上げると、脚の静脈の圧力が下がるとされています[2]。
高さを出すことより、脚全体がのっていることのほうが大切です。
かかとだけを高く積んだクッションにのせると、ひざや腰に別の負担がかかりやすくなります。
| 上げ方 | 支えている場所 | 起きやすいこと |
|---|---|---|
| 高く積んだクッションに、かかとだけをのせる | かかと | ひざが伸びきり、腰が反りやすい |
| たたんだ毛布に、ふくらはぎからかかとまでをのせる | ふくらはぎ〜かかと | ひざが少しゆるみ、脚の重さが分散する |
| 壁に足を立てかける | かかと〜ふくらはぎ | 角度がつきすぎて、長く続けにくい |
なぜ夕方になると足がむくむのか
脚の血液は、重力に逆らって戻っている
脚の血液は、重力に逆らって心臓のほうへ戻らなければなりません[2]。
そのため、1日の終わりに近づくほど、むくみが出やすくなるとされています[2]。
一日の終わり、特に座っていたあとや立っていたあとに、両側の足や足首に軽いむくみが出るのは、正常でもみられることだとされています[1]。
ふくらはぎの筋肉が、血液を押し上げている
脚の筋肉が縮むことで、深部の静脈を流れる血液が押し上げられます[2]。
静脈の中の弁は、血液が下に逆流するのを防いでいます[2]。
座りっぱなし・立ちっぱなしで脚を動かさない時間が長いと、この押し上げる力が働きにくくなります。
長時間の座位や立位は、静脈の病気(慢性静脈不全症)の危険因子のひとつにも挙げられています[2]。
座りっぱなしの日ほど、ふくらはぎは動く時間が少なくなります。
横になると、たまった血液が戻りやすくなる
横になれば、静脈にたまった血液が出ていきやすくなります[2]。
一晩たつとむくみが引いていることが多いのは、このためとされています[2]。
夕方のむくみは、一日中、重力に逆らって脚を動かさなかった分の積み重ね。夜は、脚を少しだけ「重力から休ませる」時間です。
足のむくみ、こんなことはありませんか
むくみやすい一日の過ごし方チェック
- 2時間以上、ほとんど席を立たないことがある
- 夕方になると、靴やブーツがきつくなる
- 靴下のゴムの跡が、くっきり残る
- 水分をとるのを、つい忘れてしまう
- 寝るとき、かかとだけをクッションにのせている
当てはまる数が多いほど、日中の過ごし方と夜の足の上げ方の両方を見直す余地があります。
先に知っておきたい、受診のサイン
足のむくみの多くは、一日の終わりに出て朝には引いていく、心配の少ないものです[1]。
ただし、次のようなときは、足を上げて様子を見るより先に医療機関に相談してください[1]。
すぐに受診したいサイン
- 急にむくんできた
- 片方の脚だけがむくむ
- はっきりした痛みや、押すと痛むところがある
- 息切れがある
- せきと一緒に血が出る
こうしたサインがある場合は、直ちに医師の診察を受ける必要があるとされています[1]。
心臓・肺・腎臓の病気になったことがある人や妊娠中の人は、こうしたサインがなくても、むくみがあれば直ちに受診するよう案内されています[1]。
整体師の目線で:かかとだけを高くすると、ひざと腰が困る
足を高くするとき、つい「高ければ高いほどいい」と考えがちです。
でも、かかとだけを高いクッションにのせると、脚はかかとと太ももの付け根の2点で支えられる形になります。
ひざの裏が浮いたまま、ひざは伸びきった状態に。
脚の重さが太ももの付け根に集まり、腰が反りやすくなります。
仰向けで腰が反ったままだと、腰まわりの筋肉が休みにくくなります。
ふくらはぎからかかとまでを広く支えて、ひざが少しゆるむ形にすると、脚の重さが分散されます。
仰向けで膝の下にクッションを入れると腰の反りがゆるみやすい、という考え方と同じです。
関連記事:仰向けで寝ると腰が痛い人へ。腰が浮く理由と、今夜からできる寝方の工夫
ふくらはぎからかかとまでがのる幅で、低めに整えておきます。
寝る前に足を上げる手順
毛布やバスタオルを、ふくらはぎからかかとまでがのる幅にたたむ
仰向けになり、ふくらはぎからかかとまでを毛布にのせる
脚が心臓より少し高くなる高さに、毛布の厚みを調整する
ひざの裏が浮いていないか、ひざが伸びきっていないかを確かめる
腰が反っていたら、毛布を少し低くするか、ひざの下にもタオルを足す
脚を上げることは、むくみの軽減に役立つことがあるとされています[1]。
慢性静脈不全症の治療としては、脚を心臓より高く上げる時間を、1回30分以上、1日3回とる方法が紹介されています[2]。
これは静脈の病気がある人向けの方法なので、気になる人はかかりつけ医に相談してから取り入れてください。
厚生労働省のエコノミークラス症候群の予防の案内でも、眠るときは足を上げることが挙げられています[3]。
一晩中上げたままにするなら、低く、安定させて
一晩中足を上げたままにすると、寝返りがしにくくなることがあります。
寝返りが少ない夜は、朝に体がこわばりやすくなります。
関連記事:寝返りが少ないと体が痛くなる?朝のこわばりと寝具の関係
眠るまでのあいだに足を上げて休み、眠るときは低めで安定した毛布だけにする、という使い分けもひとつの方法です。
仰向けの姿勢全体を整えるなら、枕の高さもあわせて見直してみてください。
関連記事:枕の高さの測り方。仰向けは「首のすき間」、横向きは「肩の幅」で、自宅で合う高さを確かめる手順
日中にできること
寝る前に足を上げるだけでなく、日中に脚を動かすことも大切です。
厚生労働省は、長時間座ったままのときの予防として、次のことを挙げています[3]。
- かかとの上げ下ろし運動をしたり、ふくらはぎをもんだりする
- ときどき、軽い体操やストレッチをする
- 十分にこまめに水分をとる
- ゆったりとした服装をし、ベルトをきつく締めない
座ったままでも、つま先を上げ下げするだけでふくらはぎが動きます。
夕方の顔のむくみも気になる人は、こちらもあわせて読んでみてください。
関連記事:夕方になると顔がむくむ。デスクワークの姿勢が関係しているかもしれません
よくある失敗
| よくあること | 起きやすいこと | 見直しのポイント |
|---|---|---|
| 枕やクッションを高く積む | ひざが伸びきり、腰が反る | 低く広く、ふくらはぎから支える |
| かかとだけをのせる | ひざの裏が浮く | ふくらはぎまでのる幅にする |
| 片脚だけむくむのに足を上げて様子を見る | 受診が遅れる | 片脚だけ・痛み・息切れがあれば受診 |
| 夜だけ対策して、日中は座りっぱなし | 夕方のむくみがくり返す | 日中にかかとの上げ下ろしをはさむ |
時間帯別:むくみをためない過ごし方
- 午前:水分をこまめにとる。ときどき席を立って歩く
- 午後:座ったまま、かかとの上げ下ろしやつま先の上げ下げをはさむ
- 夕方〜帰宅後:締めつけの強い靴下やベルトをゆるめる
- 寝る前:ふくらはぎからかかとまでを毛布にのせて、脚を少し上げて休む
- 朝:むくみが引いているか、片脚だけ残っていないかを見る
夜中に足がつりやすい人は、寝る前の過ごし方をこちらで整理しています。
関連記事:夜中に足がつる人へ。ふくらはぎが張りやすい理由と、寝る前のストレッチ・受診したいサイン
よくある質問
Q. 足を上げる高さは、何cmがいいですか。
調べた範囲では、寝るときの高さを何cmと示した公的な目安は見つかりませんでした。
「脚が心臓より少し高くなる」くらいを目安に、ひざが伸びきらず、腰が反らない高さに合わせてください[2]。
Q. 一晩中、足を高くして寝ても大丈夫ですか。
寝返りがしにくくなることがあるので、高すぎない、安定した支え方にしてください。
心臓の病気がある人は、自己判断せず医師に相談してください[1]。
Q. 朝になってもむくみが引きません。
静脈の弁がうまく働いていない場合は、むくみが一晩たっても消えないのが通常だとされています[1]。
朝まで続くむくみは、一度医療機関で相談してみてください。
Q. 生理前になると、足がむくみやすい気がします。
月経前のむくみは、安静と脚を上げることで通常はある程度やわらぐとされています[1]。
関連記事:生理中、お腹や腰がつらくて眠りにくい夜に。体を丸める・膝にクッションをはさむ寝方と、相談したいサイン
まとめ
足のむくみが気になるときは、ふくらはぎからかかとまでを広く支えて、心臓より少し高い位置まで上げるのが、腰とひざに負担をかけにくい上げ方です。
高く積むより、低く広く。
かかとだけではなく、ふくらはぎから。
日中はかかとの上げ下ろしをはさみ、片脚だけのむくみや痛み、息切れがあれば受診する。
まずは今夜、毛布を1枚たたんで、ふくらはぎをのせてみるところから始めてみてください。